発売されたのは昭和37年(1962年)です。捲きあげレバーはおろか、絞りダイヤル、シャッター速度ダイヤルもないスッキリとしたデザインです。デザインの自由度が高くなった今どきのデジカメならともかく、50年以上も前に、こんなモダンなデザインのカメラが実現できたのはすごいことだと思います。
ネットで調べてみたら、設計者は「自分の母親でも撮影できるカメラを作りたい」というコンセプトで開発したそうです。当時、年配の女性がカメラを操作するのはたいへんなことだったからでしょう。
工房へやって来た個体は、先日、Paper Poolさんで開催した健康診断で「たぶん、ダメでしょう」と診断したものです。明るさを変えても絞りが変化しなかったので、そんな診断を下したのです。
今回、分解してみたらメーターの針が(なぜか)変形した部品に引っかかっていたためでした。変形を修正したら、メーターの針が動作し、絞りも変化するようになりました。やはり、分解してみないと分かりません。
ただ、セレンは若干、劣化していましたが。
レンズキャップをすると何だか愛嬌のあるデザインです
ファインダーのユニットを取り出し、清掃しているところです
